ちょっとうれしいことがあった。
飲み物を買うために、マックスバリュに行ったときの話だ。
十六茶の麦茶を買って、店を出るところで、カートを店の外と内で回収する店員さんたちに出くわした。
外が女性で、内が男性だった。
女の人が複数のカートを、店外から自動ドアを通って店内へと運び入れ、内側の男の人も、エレベーターのほうへと、複数のカートを移動させていた。
女性が押したカートは、しかし方向がずれていた。
そこで動いたのが、店内の男性店員だ。
彼は、自分の手元にあったカートで迎撃することで、方向を変えてみせた。
結果、たくさんのショッピングカートたちはエレベーターの前に、集会で校長先生の話を聞く小学生たちのようにして、しっかり列を作って並んでいた。
店員さんたちは、自分達のコンビネーションを絶賛し、そして女性店員の口から出たのが、バスケファンとしてうれしい一言だ。
「昨日のバスケ日本代表みたいだった」
昨日、男子バスケ日本代表の強化試合があった。
フジテレビで放送された、日本対ベルギー。
ベルギーは、世界ランキング37位の格上だ(日本男子は42位)。
琉球ゴールデンキングスのホームアリーナで、国内最高のアリーナと言っても差し支えないだろう、沖縄アリーナで、ベルギー戦は行われた。
スタメンは、田中大貴(PG)、比江島慎(SG)、渡邊雄太(SF)、ギャビン・エドワーズ(エドワーズギャビンのほうがいいか? PF)、シェーファーアヴィ幸樹(C)
明らかに高さを意識した布陣。スタメンの平均身長が、なんと(!?)2メートル2センチだと、実況の人が言っていた。
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試合結果としては、70-73で負けた。
残り時間わずかで三点差を追う場面、フィニッシャーに渡せなかった、最後のシュートまで持って行けなかった、託すことが出来なかったという苦い経験が、きっと本番の東京オリンピックで活かせるはずだ。
そう。強化試合の目的は、経験をして課題を見つけることだ。
強化試合では、勝つこと以上にそっちの方が重要だ。
強化試合で負けても、本番のオリンピックで勝てばいい。
二年前のワールドカップの時は逆だった。
強化試合で強豪のドイツに勝つなどして勢いに乗ったはずだったが、ワールドカップ本選で全敗してしまった。
母国開催のオリンピックという栄えある代表に選ばれた12人。
彼ら12人にはもちろんプレッシャーがあるだろうが、きっとそれ以上に喜びのほうが大きいだろう。
オリンピックの母国開催自体が一生に一度あるかないか。
それがあるだけでも運がいいのに、選手としてやっていられる期間を考え(ちょうど今二十代から三十代)、さらにプレーヤーの総数まで考えたら、その中で代表の12人に選ばれるというのは、とんでもない栄誉で幸運だ。
熾烈な選考を争い、その座を勝ち取った日本のトップ選手たちに、拍手を送りたい。
「史上最強の日本代表」と言われながら、勝ちを掴めなかった2019ワールドカップ。
NBAという最高峰の舞台で成長を見せる八村や渡邊を筆頭に、
今度こそ本当の「史上最強の日本代表」という姿を見せてもらいたい。
対戦国はアメリカに次ぐ強国で2019ワールドカップで優勝したスペイン、アテネオリンピックで優勝しラマスヘッドコーチの母国でもあるアルゼンチン、さらにルカ・ドンチッチ率いるスロベニア。
相手はどこも強い。それでも……
ワールドカップでの雪辱を果たしてほしい。期待しています。