富樫勇樹。身長167センチ。
小柄なポイントガードの中でもひときわ小さい。
バスケットボールはサイズスポーツだから、この身長でプロ選手になれたことがすごいし、シーズンを通しての活躍とその結果のMVP受賞で、国内のトップ選手にまで成長を遂げたことがもっともっとすごい。
【18-19 PLAYBACK】レギュラーシーズンMVP・富樫勇樹(千葉) スーパープレー集
そんな富樫勇樹を見て、「身長なんて関係ない」と言う人もいるだろう。
そういう人に対し、二つ言いたい。
まず一つ目は、「身長なんて関係ない」という言葉。
ゴールが3メートル5センチ。それほど高い位置にあるバスケットボールで身長が関係ないわけがない。バスケは身長が関係大アリスポーツだ。
そしてもっと大事で見過ごしてはいけないことがある。
富樫勇樹の活躍を見て「身長なんて関係ない」と言う人は、彼が低身長の不利を克服するためにどれほど頑張ってるかという大事なことから目を逸らしている。
バスケは身長が関係ありまくるスポーツだからこそ、あの身長で活躍している富樫勇樹はすごいのだ。
彼の最大の武器は得点力だが、それだって低身長の不利を克服した上でやってることだ。バスケは低身長であればあるほど、シュートブロックされやすいのだから。
シュートブロックされないための時間と空間を生み出すため、彼がどれだけ頭を使ってドリブルしているか。
身長が関係大アリスポーツのバスケットボールの世界で生きていくため、彼は必死に、スピーディーなドリブルからシュートチャンスをつくり出している。
富樫勇樹はそのドリブル力から、オフェンスで低身長のアドバンテージを生み出せてるスゴイ選手だ。
だが、ディフェンスに関してはあまり、低身長のアドバンテージを生み出せてるとは言えないのではないか?
背小さい選手には、確かに不利なところがある。
特にディフェンスでだ。
背小さいほどシュートブロックが難しく、ポストアップに抵抗できない。
それに、高いパスだって防げない。
そういう現実があるなかで、身長が低い選手が、ディフェンスでチームに貢献するためにはどうしたらいいのか?
ということを考えたとき、
ドリブルに対するディフェンスこそが、低身長選手の強みだと思う。
だから、
富樫勇樹ファンの一人としての意見だけど、もっと彼にはボール運びにプレッシャーをかけるディフェンスをしてほしい。
ポイントガードとしてのボールマンへのディフェンス力は、確実に福岡第一高校の河村君のほうが上だと思う。
もう身長が伸びなくても、富樫勇樹には選手としてまだ伸びしろがあると思うし、小さな子供たちの期待をその小さな身体で背負ってるかっこいい選手だから、これからも彼を応援していきたい。